ハイドロキャスト法総入れ歯
総入れ歯の種類と
そのメリット・デメリット
歯医者さんに言われるままに総入れ歯を作ってもらったものの、ご自分の入れ歯にどんな特長があるのかご存知無い方も多いと思います。現在主流になっている総入れ歯の4種類を比較してみましょう。
プラスチック床(保険適用) |
金属床 |
マグネット |
ハイドロキャスト法精密入れ歯 |
|
メリット | 保険が適用できるため、安価に作成できる。 | 強度に優れ薄く快適なつけ心地熱が伝わるので食べ物の温度がわかる。 | 磁石の力により安定感がある | あごにピッタリとあった入れ歯が出来る。 長期間使用できる。 |
デメリット | 床が厚くなりがちで、違和感が強い。耐久性に乏しく、一度破損してしまうと、修理は困難。 | 費用が高い。 製作期間が長い。 ぴったりと合ってないとガタついて歯茎がやせる場合もある。 |
マグネットを埋設するための歯根が必要。 メンテナンスに細心の注意が必要。 |
製作期間が長い。 初期費用が高い。 |
当診療所がお薦めする
「ハイドロキャスト法精密入れ歯」とは
柔軟性に優れた特殊素材「ハイドロキャスト」で型をとり製作される精密入れ歯です。仮の入れ歯の状態で普段の生活をしていただき、時間をかけて口腔内の粘膜や筋肉の動きをハイドロキャストに記憶させる方法です。
ハイドロキャストで作成した型は患者様のお口にフィットした入れ歯を作ることができます。また、最終的な形ができるまでに咬み合わせを正しく調整できることも大きなメリットです。
ハヤシ歯科では特に「会話機能の回復」と「審美性」に神経を遣いながら調整を行なっています。
これを疎かにしてしまうと、会話中に息が漏れる音がして恥ずかしい思いをしたり、歯並びの見た目に自信が持てず、人と合うこと自体に消極的になってしまいます。
歯並びの調整を外注の歯科技工士さんに丸投げしてしまうと、技工士さんは患者様の顔を見て歯並びを調整するわけではないので、どうしても歯だけ浮いて見えてしまうことがあります。
ハヤシ歯科は歯科医が患者様の顔を見ながら、患者様に鏡で確認してもらいながら歯並びを調整するため、納得のいく歯並びにすることができます。
主な3つの特徴
- 粘膜や筋肉、舌の動きを記憶し心地よいフィット感
- 噛み合わせから抜本的に治療
- 鏡で歯並びを確認しながら歯列を調整
「精密」とうたう理由
噛み方、話し方も記憶する特殊素材
ハイドロキャストはクラーク・スミス氏により、総入れ歯製作のために開発された特殊素材です。
適度な柔らかさがあるため、この型を装着したまま数週間生活していただくことで、患者様の口腔内粘膜はもちろん、口や舌の筋肉の動きに合わせ形状が最適化されます。この為、完成した入れ歯を装着した際の違和感を限りなくゼロに近づけることができます。
さらにハヤシ歯科では口腔内の粘膜と入れ歯の間にできるマイクロメートル単位の隙間の調整にも配慮します。この隙間が陰圧を生み、適度な圧力で粘膜と入れ歯が密着するようになることで、入れ歯は患者様の体の一部になります。
現在お使いの入れ歯に違和感や不便を感じていらっしゃる方は、名古屋市中区のハヤシ歯科診療所までぜひご相談ください。
ハイドロキャスト法精密入れ歯 製作の流れ
-
1.歯科ドック(精密診断)
人間ドックと同様、あなたのお口の健康状態を詳しく調べます。
治療が必要になる箇所があれば、先に治療を行います。歯だけではなく、顎関節、咀嚼筋、噛み合わせや唾液など、お口の健康に関するあらゆる要素をチェックします。
-
2.現在の入れ歯を確認
すでに入れ歯をお使いの場合は、現在の入れ歯に破損や変形が無いかチェックします。必要であれば噛める状態になるように修理、調整を行います。
-
3.型取り
ハイドロキャスト法の仮入れ歯を作るため、お口の中の型を取ります。
-
4.治療計画書の策定
歯科衛生士らスタッフも交えて治療計画の策定をします。治療計画書は患者様と共有し、安心して治療していただくことをこころがけています。
-
5.構造計算と歯列模型の作成
綿密な構造計算を元に上下顎の模型を作成します。患者様のお口の形状に最適化した歯列を形成するため、当診療所ではとりわけ時間をかけて(約2週間程度)設計します。
-
6.治療用義歯の製作
型取りを行ったものから、仮入れ歯をハイドロキャスト法で製作します。
-
7.ハイドロキャストの調整
実際にハイドロキャスト法仮入れ歯を使用していただきながら、お口の中の粘膜の形や噛み合わせの調整を少しずつ行っていきます。装着時のフィット感はもちろん、発声の具合や歯並びの見え方など、患者さんが満足のできるまで細かな調整を重ねます。
この治療用の入れ歯でしっかりと噛める状態にし、違和感を取り除きます。 -
8.入れ歯の製作
ハイドロキャスト法入れ歯を基に最終的にお使いいただける入れ歯を製作します。
-
9.完成
既にお口の状態に最適化されていますので、その後のご使用についても殆ど調整する必要がありませんが、定期的に経過の確認をさせていただいております。
費用に関して
- 精密検査:35,000円(税別)
- ハイドロキャスト法総入れ歯(1つあたり):350,000円~1,500,000円(税別)
※精密検査の結果によって異なります。
ハイドロキャスト法総入れ歯が高価な理由
上図のように、通常の入れ歯製作とは異なり、治療計画書の作成、構造計算など多くの工程を設け、当診療所の精密入れ歯は完成します。また、歯茎部分の形状を繰り返し微調整し、患者様の違和感が払拭できるまで最終仕上げを行わないポリシーを貫いています。
そのためどうしても費用面では通常の入れ歯よりも高価になってしまいますが、その分ご満足のいただける入れ歯になるはずです。
歯学博士 林 喜代治からのメッセージ
義歯治療で重要なポイントは3点あります。
- 咬合の安定性の確立
- 義歯床が歯肉粘膜や義歯周囲の筋肉の動きを印象・記録
- 審美的な満足、解剖学的・機能的な調和
これらの達成により初めてストレスの無い義歯が実現できたと言えます。
クラーク・スミス氏はこれら3つのポイントをクリアするための技術開発に貢献した義歯界の恩人です。
彼は義歯の世界に2つのイノベーションを完成させました。
- 加圧重合法によるレジンの精密重合法の確立
- 義歯粘膜面の生理学的及び機能的な印象法を可能にした「ハイドロキャスト ティッシュ コンディショナー」の発明と義歯製作治療法の確立
私は渡米した際、これらの技術をスミス氏から伝授していただき、日本での普及を約束しました。
現在はスミス氏の技術を応用した口腔の健康状態を維持する義歯設計に取り組み、残存歯の生涯健康維持を目指しております。
患者の皆様に少しでも貢献でき、先人の知恵と技術の応用で、噛める喜びを分かち合えれば幸いです。